KAWAI corporation/north1F
工業製品を製造するメーカーの倉庫兼作業場として使われていた工場のリノベーション。
多様な製品を扱う現場では、製造内容の変化に合わせて、日々レイアウトや収納の位置が更新され、より働きやすい環境を目指して細かな改良が繰り返されてきました。
私は、こうした“常に変化し続ける現場”の特性を前提に、設計者を介さずとも、働く人々が自ら環境を整え、更新していける仕組みを模索しました。
空間の構成要素には、既製のパイプ部材を採用。
パイプを中心に構成することで、容易に組み替えや転用が可能となり、現場の手によって柔軟にアップデートできる構造としています。
一方で、世代や立場による感覚の違いから、各自が思い思いに改修を重ねることで、
空間が雑多な印象を与えることもありました。
そのため、素材や寸法、接合方法などに一定のガイドラインを設け、
機能的でありながらも美しく保たれる仕組みを整えています。
変化を制御するのではなく、変化を受け入れ、美しく更新され続ける環境をつくること。
このプロジェクトは、そんな「自走する空間」の在り方を探る試みです。



























